この記事は、「ソロ活男子のちょっといい時間」シリーズのvol.4です。
はじめに
都会の混み合う賑やかなサウナも、テレビが流れるサウナも悪くない。
熱波師による華麗なタオル捌きを楽しめる「アウフグース」も、イベントとしては十分に魅力的だ。
けれど、ソロ活男子の僕にとって一番しっくりくるのは、やはりサウナでの「無」の時間。
静かに、自分だけのペースで心と体を整えるひとときだ。
そんな時間を求めて、昨年から何度か足を運んでいるのが、佐賀県・武雄温泉にある「OND HOTEL」。
落ち着いたサウナと、佐賀牛をふんだんに使った夕食を味わえるのが魅力だ。
そして何より驚くのは、そのすべてを含めても平日なら2万円前後で宿泊できるというコストパフォーマンス。
今回は、この「とっておきの時間」を過ごせるOND HOTELでの体験を紹介していきたい。
アクセス:関西からは、福岡経由が便利
公共交通機関でスムーズにアクセス

武雄温泉へのアクセスは、東京からなら佐賀空港経由が便利だ。
ただし関西方面からは佐賀空港への直行便がないため、一般的には 福岡経由や長崎空港経由でOND HOTELにアクセス するのが現実的になる。
僕自身がいつも利用しているのは 福岡空港からのルート。
空港から博多駅までは地下鉄でわずか2駅、そこからJR九州の特急に乗り換えれば武雄温泉駅まではおよそ1時間。
「九州ネットきっぷ」をアプリで事前予約すれば、改札ではQRコードをかざすだけでチケットレス乗車が可能だ。
指定席に座れて料金もお得、当日でも購入できるので OND HOTELへの行き方 としておすすめである。
ちなみにこの日は急な車両変更があり、思いがけず写真のような豪華なコンパートメント席に座らせてもらえて、とてもラッキーだった。
武雄温泉駅からは、ホテルのシャトルバスがチェックイン時間に合わせて約1時間ごとに運行されている。
これを利用すれば、駅からホテルまでノンストレスでアクセスできる。
ホテル到着
スムーズなチェックイン

あっという間にホテル到着。
チェックインは、座って個別に行うスタイル。
ここでも、前回の訪問履歴がきちんと把握されていて、心地よい安心感があった。
ウェルカムドリンクは、写真のような「HAVARY’S」のミネラルウォーター。
海外ブランドのようなパッケージだが、実はサステナブルにこだわった国産の水。
こうした細部からも、このホテルの小さなこだわりが感じられる。
シンプルで広々、綺麗な客室

館内の雰囲気はすでに分かっているので、手続きを済ませてそのまま部屋へ。
客室は清潔でおしゃれ。シンプルながら落ち着ける空間だ。
冷蔵庫に入っているビールやカクテルまで無料というのも何気にありがたいサービス。
ウェルカムスイーツ

ほどなくしてドアをノックする音。
何だろうと思ったら、スタッフの方が地元の味噌を使ったマドレーヌと、手書きのウェルカムレターを持ってきてくださった。
こうした小さな心遣いが、旅をより温かいものにしてくれる。
早速、サウナへ!
1日目は手前側が男湯

荷物を部屋に置いたら、さっそくサウナへ直行。
チェックイン直後は比較的空いていることが多い(ただし日帰り利用の方がおられる場合もある)。
このホテルでは、チェックイン後と翌朝で男湯と女湯が入れ替わる仕組みになっている。
そのため、宿泊すれば計4つのサウナを堪能できるのが大きな魅力だ。
まず、初日は手前側が男湯。
ここには「MAKI+BONAサウナ」と「SUMIサウナ」が用意されている。
使いやすいロッカー

ロッカールームのロッカーは、縦長と横長の2種類。
自分のようにリュックスタイルの軽装派には、横長ロッカーがとても有難い。
(縦長しかないサウナだと、リュックが入らず、中身を一度出さざるを得ない経験が何度もある。)
一方で、スーツなどをハンガーにかけたい方にとっては縦長が便利。
利用者のニーズに合わせて2種類を用意しているあたりに、心遣いを感じる。
全体的に広めで使いやすく、床も水をはじく素材で快適だった。
ウォーターサーバーも、タオルも

さらにウォーターサーバーや自由に使える清潔なタオルも備えられていて、ホテルサウナならではの安心感がある。
荷物置き場が別に設置されているのも、細やかな気配りを感じられるポイントだ。
オープンエアーの浴場

大浴場へ。
まずは、丁寧に体を洗うことから始める。
サウナで心地よく汗をかくためには、この「流す」ひと手間が大切な儀式だ。
冬に訪れたときには、外気の冷たさが少し身にしみるオープンエアーの浴場だったが、今の季節はむしろ暑さを感じるほど。
けれど、汗をきれいに流して湯に浸かれば、その暑さすらも心地よい爽快感に変わっていく。
肌触りの良いサウナマットなどの心遣い

サウナの入口には、布製で肌触りの良いサウナマットがきれいに積まれている。
さらに、サウナハットを掛けておける専用フックまで用意されていて、細やかな配慮が感じられる。
こうした小さな工夫の積み重ねが、サウナ時間をより快適にしてくれる。
いよいよ、サウナへ。
MAKI+BONAサウナとSUMIサウナ
薪の燃える音と武雄の自然を堪能 ― MAKI+BONAサウナ

その名の通り、薪を使った特注のサウナストーブ(セルフロウリュ可能)に加え、背中側のベンチ下には収納式ヒーターが設置されている。

さらに、温度計や湿度計、左右に配置された砂時計など、サウナに入るときにあると便利なものが、もれなく整えられているのも嬉しい。

上段に腰を下ろすと、目の前には緑が広がり、開放感に包まれる。
薪が静かに燃えていく様子をただ眺め、緑に癒される時間は、まさに贅沢そのもの。
さらに、絶え間なく薪が燃え続けるよう、スタッフの方が外からさりげなく薪をくべていく場面に出会えることもある。
こんなサウナ体験は、他ではなかなか味わえない。
地下水のグルシン水風呂でクールダウン

サウナに入るのは大体7分を目安にしている。
しっかりシャワーで汗を流してから、いよいよ水風呂へ。
水風呂は2種類。
ひとつは9度前後に設定された深さ1.5mのもの、もうひとつは15度前後に設定された深さ0.85mのもの。
この日は夏ということもあり、まずは9度の方へ。水温計は10度を示していた。
暑い日に入る“グルシン”の水風呂は格別だ。
ただ、さすがに長くは浸かっていられないので、1分ほどで切り上げる。
ととのいタイム

水風呂を上がると、すぐ横にある外気浴ベッドに身を横たえることができる。
撮影は営業時間外の深夜だったため写真は少しムーディーな雰囲気だが、昼間は緑や青空に包まれ、より爽やかな癒しの空間となる。
耳を澄ませば、鳥や蝉の声が聞こえ、自然と一体になる感覚を味わえる。

少し離れた場所には、より緑を間近に感じられるベッドもある。
また、ベッドの使用前後にきれいにできる給水設備があちこちに備えられていたり、この時期には虫を寄せ付けない強力な電気式の虫除けが設置されていたりと、細かな配慮も随所に見られる。
こうした些細な心遣いが積み重なって、快適でノンストレスなサウナ体験が実現しているのだ。
暗闇で個と向き合えるSUMIサウナ

心拍数が落ち着いたら、少し水分を補給して、次はSUMIサウナへ。
扉を開けると、そこには暗闇が待ち構えている。
他の施設なら「瞑想サウナ」と名付けられても不思議ではないほどの雰囲気だ。

静寂に包まれ、視界に余計なものが入らない空間で、「個」と向き合う。
スマホを手放せない日常とは真逆の、貴重な「無」の時間である。
・・・もっとも、この写真だけでは様子は伝わりにくいかもしれない。
実は撮影中、スタッフの方が「照明を少し明るくしましょうか?」と声をかけてくださり、特別に明るくして撮影させていただいたのが次の写真だ。

実際にSUMIサウナに入ると、最初は真っ暗だが、しばらくすると目が慣れてくる。
やがて吊るされたヴィヒタや、セルフロウリュ用の桶などが少しずつ視界に浮かび上がってくるのだ。
そんな感覚を、この2枚の写真から少しでも味わっていただければと思う。
ラウンジでデトックスウォーター
ちゃんとフルーティーなフレーバー

サウナを満喫した後のお楽しみは、ワンフロア上にあるラウンジでのデトックスウォーター。
しっかりとフルーティーな味わいがして、とても美味しい。
更衣室に置いていただければ最高だが──自分のようにがぶ飲みしてしまう人がいるからこそ、あえてラウンジに設置されているのだろう。
夕食ー次回に続く

夕食は、佐賀牛をメインに、地元の素材をふんだんに取り入れた料理。
最後は、さっぱりとしたアイスデザートで締めくくり。
サウナと合わせて、まさに「ととのう夜」となりました。
──そして翌朝は、残りの2種類のサウナに加え、
高級有明海苔が目玉の朝食が待っています。
次回、Vol.4 後編へ続きます。
このブログについて

仕事柄、さまざまな年代や職種の方とお話をする機会があります。
それは僕にとって、楽しくてやりがいや生きがいを感じられる、大切な時間です。
でもその反動か、プライベートでは、
誰とも話さず、何も考えず、「無」になれる時間が恋しくなります。
もちろん誰かと過ごす楽しさも知っているけれど、
今の自分にとっては、
ひとり気ままに、気の赴くままに過ごすひとときが、
いちばん贅沢に感じるのです。
このブログでは、そんな僕自身の視点から、
ひとり時間を心地よく過ごせる場所や、
ちょっと上質な楽しみ方を気ままに綴っていこうと思います。
同じように「ひとりの時間」が好きな方に、
ほんの少しだけ楽しんでもらえたら幸いです。