この記事は、「ソロ活男子のちょっといい時間」シリーズのvol.4です。
夕食も魅力のひとつ──佐賀牛フルコースからの変化
初めての夕食は“佐賀牛尽くし”

サウナでしっかりととのった後、待ちに待った夕食の時間。
最初に宿泊した際は、前菜からデザートに至るまで、ほぼすべての皿に佐賀牛が使われた「佐賀牛フルコース」。
デザートには、牛脂を使った独特のコクのアイスクリームまで登場し、その発想と美味しさに驚かされた。
ひと口ごとに贅沢さが広がりながら、「え、これ本当に2食付きで2万円ちょっと?価格間違えてないよな…?」と心の中で焦って、思わずその場でこっそりスマホで料金を確認したほど。(もちろん間違いではなかった!)
宿泊のたびに少しずつ変わるメニュー

また別の宿泊時には、メニューが少しずつ変わっていて、どの皿も美しく、そしてやっぱり美味しい。
なかでも印象に残ったのが、締めの釜炊きご飯。ごぼうと佐賀牛の組み合わせが絶妙で、思わず箸が止まらなかった。
一人には明らかに多い量なのだが、おにぎりにしていただけるので、夜サウナを終えたあとに再び味わうことができる。
「食べきれなかったら翌朝に」と思いつつ、結局はお腹が苦しくなるほど食べ尽くしてしまった。
夕食そのものが、サウナ体験と並ぶもう一つの大きな楽しみだ。
新シェフのディナー体験
一番乗りでカウンターに着席

夕食は、事前に時刻を指定して伺うスタイル。
自分は早めに食べておきたいタイプなので、一番早い17:30開始で会場へ。
カウンター席では、着席してから佐賀牛のステーキを炭火で焼き始めてくれる。
目の前で火が上がり、肉がじっくりと焼かれていく様子を眺めながらの夕食は、それだけでひとつの演出のようだ。
このホテルは男女問わずおひとり様も多く、気兼ねなく過ごせるのも魅力だ。
驚きのメニュー

席に着いてメニューを開いた瞬間、思わず目を見張った。
過去の「佐賀牛づくし」から「佐賀づくし」へと変わっていたのだ。
「お、魚もあるのか」。佐賀牛はもちろん絶品だが、実は魚も食べたいと思っていたので、これは嬉しい。
一方で「え、ご飯物がない…?」と、少し期待と不安が入り混じったディナーの幕開けとなった。
ドリンクにもサウナーへの配慮

「ドリンクはいかがいたしましょうか。ペアリングワインがおすすめです」
そう勧められたが、食後にもサウナに入りたい身としてはアルコールは避けたい…。
どう答えようかと一瞬迷ったところ、スタッフの方がすぐに察してくださった。
「ノンアルコールのペアリングもご用意していますよ」
素晴らしい、それに即決。
生姜や酢を使ったヘルシーなドリンクが、ほぼ料理ごとに合わせて提供され、味わいの変化を存分に楽しめた。
お酒を飲まなくても、食事の満足感がしっかりと味わえるのはサウナーにとって本当にありがたい。
佐賀づくしコース

今回は「佐賀牛づくし」から進化して、佐賀県の食材を幅広く取り入れたコース。
夏らしいコーンの冷製スープに始まり、前菜では、呼子のイカを使ったコロッケや、嬉野の牧場で作られたビターキャラメル風チーズ、米の煎餅など、佐賀各地の食材が盛り込まれていた。
特にキャラメル風チーズは、一口サイズながらほろ苦さと濃厚なコクが際立ち、強く印象に残る一品だった。
その後も野菜、魚、そして佐賀牛と続き、どの皿も美しく、味わいも申し分ない。
メインのステーキは目の前で丁寧に炭火で焼かれ、香ばしい香りとともにサーブされる。
ひと口頬張れば、驚くほど柔らかく、旨味がしっかりと広がる。
こんなに味わい深いステーキを食べられる機会は、自分にはそうそうない。まさに満足のひと皿だった。
爽やかな大葉の素麺をいただきながら、「この後はデザートかな。ああ、釜炊きご飯がないのは少し寂しい…」と思っていたところ、スタッフの方から声をかけられた。
「いかがですか、お腹は一杯になりましたでしょうか」
どう答えようか迷っていると、それをお見通しだったかのように、続けてこう言われた。
「実は、佐賀牛のハッシュドビーフもございますが、いかがでしょうか」
え、そんな隠れメニューが!?
「ぜひいただきます!」と即答。
さらに「普通サイズか小サイズかお選びいただけます」と聞かれ、思わず「普通サイズで」と頼んだものの、頭の中では「もし200g級のご飯が出てきたらどうしよう…」と一瞬不安がよぎる。
隠れメニューのハッシュドビーフ

運ばれてきたのは、スタッフの方が“実は…”とすすめてくれた隠れメニュー、佐賀牛のハッシュドビーフ。
お茶碗に軽く一杯ほどの絶妙なボリューム。
しかも、しっかり佐賀牛の旨味を感じる濃厚な味わいで、コースを締めくくる一皿にふさわしかった。
最後は桃やスイカといった季節感のあるデザートでさっぱりと。
食後のサウナを前に、心もお腹も満ち足りた夕食となった。
そして、この後ものんびりサウナへ。
夜遅く、営業終了後にサウナや浴場の写真を撮影させていただき、満足感に包まれた一日を贅沢に終えることができた。
──そして翌朝。サウナと朝食で迎える新しい時間が待っている。
朝サウナで迎える贅沢なひととき
2日目は奥側が男湯

朝はサウナ利用が始まる6時に合わせて目覚ましをセット。
起きるやいなや、まだ眠気の残る体をそのままサウナへ直行する。
前編でも触れたが、このホテルではチェックイン後と翌朝で男湯と女湯が入れ替わる仕組み。
そのため宿泊すれば、合計4つのサウナを堪能できるのが大きな魅力だ。
2日目は奥側が男湯で、ここには「トンバイサウナ」と「スチームサウナ」が用意されている。
木目調のロッカー

奥側の脱衣所には、明るい木目調のロッカーがずらりと並ぶ。
縦長と横長の2種類が用意されていて、用途に応じて選べるのがありがたい。
全体的には手前側よりややコンパクトに感じるが、明るい照明とすっきりした配置のおかげで十分にゆったり使える。
ウォーターサーバーやタオル類も、手前側と同様にしっかり完備。
細かな備品の安心感があるので、朝からでも気持ちよくサウナに入れる。
こちらもオープンエアーの浴場

大浴場へ。
こちらもオープンエアーの造りで、開放感が心地よい。
洗い場は手前側に比べると少なめだが、その分だけ空間の広がりを感じられるのが特徴だ。
写真は夜に撮影したためムーディーな雰囲気だが、実際の朝は光が差し込み、外の緑が映えて爽やかな空間となる。
ここでも、まずは丁寧に体を洗うことから始める。
もちろん、こちらにも肌触りの良いサウナマットや、サウナハットを掛けられるフックがきちんと用意されている。
トンバイサウナとスチームサウナ
印象的なレンガの広いサウナ― トンバイサウナ

まずは、このホテルで一番大きなトンバイサウナへ。
壁一面に並ぶレンガが印象的で、重厚感のある雰囲気を醸し出している。
このレンガは、黒牟田焼の登り窯に実際に使われていた「トンバイ」(塊状の耐火煉瓦)なのだそうだ。(OND HOTELさんの説明書きより)
さらに、このサウナは20分ごとにサウナストーンに自動で水が注がれる「オートロウリュ」方式。
立ち上る蒸気でしっとりとした湿度を感じつつも、しっかりと熱が体に迫ってくる。絶妙なバランスで心地よく汗をかけるのが魅力だ。
大きな窓からは水風呂や外の緑を望むことができる。
掲載の写真は夜なので分かりにくいが、特に朝や昼間(※男性は入れない時間帯なので想像ですが)は、光と緑が映える爽やかな空間になるはずだ。
隠れたリクライニングチェア

この広いサウナの入り口付近には、写真のように少し隠れるようにリクライニングチェアが置かれている。
景色はあまり望めないが、深くもたれてゆったりと座りながら蒸気を浴びるのもなかなか心地よい。
席は2つしかなく、しかも隣り合わせなので、実際に座れるタイミングは限られている。
それでも、毎回なんとか一度は利用できている。
そして意外にも、この椅子に座っていてもしっかり汗が出る。
「座り方を変えるだけで、サウナの表情が違って見える」──そんな新しい楽しみ方を教えてくれる場所だ。
そしてサウナで十分に温まったら、シャワーで汗を流し、トンバイサウナからも見えていた地下水のグルシン水風呂へ身を沈める。
朝は夜以上に冷たさが際立ち、目覚めにちょうどいい爽快感を与えてくれる。
ととのいタイム

水風呂を上がると、すぐ隣には外気浴用のベッドが並んでいる。
昨日の手前側に比べると、こちらはスペースが広く取られており、ゆったりと身を横たえることができる。
撮影は営業時間外の深夜だったため写真は少しムーディーな雰囲気だが、朝は青空と緑に包まれ、爽やかさを満喫できる。日差しも強すぎることはなく、快適にととのえる環境だ。
ベッドの数も十分にあり、埋まって座れないという心配はほとんどない。
もちろん、使用前後に水を流せる給水設備も整っていて、気持ちよく利用できる。
工夫が詰まったスチームサウナ

心拍数が落ち着いたところで水分を補給し、最後のサウナへ。
湿気のため写真は曇ってしまっているが、ここがスチームサウナだ。
武雄地元産のハーブが使われており、座面には黒牟田焼の特注陶板が採用されている。(OND HOTELさんの説明書きより)
ちなみに武雄温泉駅でも武雄産レモングラスの商品が販売されていて、別施設のOND SAUNAのサウナドリンクにも同じくレモングラスが使われている。

さらに、このスチームサウナには椅子の横にボタンがあり、押すとお湯が流れてくる仕掛けがある。
蒸気の熱に加えて心地よい刺激を与えてくれる、ちょっとしたアクセントだ。
実のところ、自分は湿気が苦手でスチームサウナには長く入れないタイプ。
それでも、この仕掛けやハーブの香りに惹かれて、ここでは必ず一度は入りたくなる。
シンプルだけど美味しい、高級有明のりとおにぎりの朝食
朝の爽やかなラウンジ

朝サウナでスッキリ整った後は、昨日デトックスウォーターをいただいたラウンジへ。
ここで朝食をいただく。
これまで掲載してきたサウナの写真は夜に撮影したものだったが、実際の朝はご覧の通り。
光が差し込み、緑が映える静かで落ち着いた雰囲気に包まれている。
温かい緑茶と最高級有明のりが最初に

最初にサーブされるのは、温かい緑茶と有明のり。
この有明のりは最高級品で、なんと一万枚に三枚しか採れない貴重なものだという。
専用の木製の箱に収められ、湿気を防ぐ工夫まで施されている。
一口かじると、自然な塩味と香ばしさが広がり、何よりもその食感が普段の海苔とはまるで別物。
最初から特別感を味わえるひとときだ。
シンプルで美味しい朝ごはん

メインは、ふっくらと炊き上げられたご飯で作られた塩むすび。
余計な具材はなく、塩だけで仕上げられているが、そこに最高級の有明のりを巻けば、それだけでごちそうになる。
お膳には卵焼きや煮物、焼き魚、梅干しなど、バランスよく揃った小鉢が並ぶ。
味噌汁も含め、シンプルながら品数があるので、満足感がしっかりある。
量としては、自分にとってはちょうどよく満足できるボリューム。
若い人やしっかり食べたい人には少し物足りないかもしれないが、おにぎりはおかわりできるようだ(※海苔の追加は別料金)。
帰りたくないけど、チェックアウト
そうして、もう一度サウナやお風呂に浸かったあと、後ろ髪をひかれつつもチェックアウトの時間。
武雄温泉駅まではシャトルバスで送っていただいた。
駅に到着し、バスを降りる際に「いつもご利用ありがとうございます」と挨拶をいただく。
そのさりげない心遣い、自分も仕事で見習いたいと思う。
今回は、深夜の営業時間外に写真撮影の機会をいただいた。
写真をご覧になってお気づきの方もいるかもしれないが、多くのお客さんが利用された後、自分の撮影のために館内をきれいに整えてくださり、床の清掃やスリッパの用意までしていただいた。
そのスタッフの方々の心配りには、本当に感謝しているし、改めて頭が下がる思いだった。
ちなみにホテル名の 「OND」 には、サウナや温泉の 温度、そして武雄温泉を盛り上げていきたいという 音頭 の意味が込められていると耳にした。
何度か滞在を重ねる中で、自分はその二つに加えて、おもてなしの温かさという「OND」も感じられる。
そして「必ずまた来たい」と強く思わせてくれる、自分の心の「OND」までも温めてくれるホテルだ。
九州には、まだまだ魅力的なサウナがたくさんある!

そして今回の滞在記はここまで。
九州には、OND HOTELのほかにも魅力的なサウナがまだまだある。
近隣ならすぐそばでアウトドアサウナ体験ができる OND SAUNA、翌日や前日に足を延ばして楽しめる海沿いの 南風楼(島原) では、オーシャンフロントならではの外気浴の開放感を満喫できる。
武雄温泉から島原へは、海岸沿いを走る島原鉄道で、黄色いハンカチで有名な大三東駅を通る車窓旅が楽しめ、島原から熊本へはかもめと並走するフェリーでの移動も気分を盛り上げてくれる。
電車やフェリーで巡るサウナ旅も、なかなか楽しいものだ。
そして熊本では、ドラマ「サ道」にも登場し、サウナシアター「THIS IS IT」や浴室サウナで本格的なアウフグースが楽しめる 湯らっくす へ──。
そんな次の旅程を思い描くだけでも、すでに楽しい。
このブログについて

仕事柄、さまざまな年代や職種の方とお話をする機会があります。
それは僕にとって、楽しくてやりがいや生きがいを感じられる、大切な時間です。
でもその反動か、プライベートでは、
誰とも話さず、何も考えず、「無」になれる時間が恋しくなります。
もちろん誰かと過ごす楽しさも知っているけれど、
今の自分にとっては、
ひとり気ままに、気の赴くままに過ごすひとときが、
いちばん贅沢に感じるのです。
このブログでは、そんな僕自身の視点から、
ひとり時間を心地よく過ごせる場所や、
ちょっと上質な楽しみ方を気ままに綴っていこうと思います。
同じように「ひとりの時間」が好きな方に、
ほんの少しだけ楽しんでもらえたら幸いです。
次回は、大阪駅前に新しくできた「うめきた温泉 蓮」の予定です(10月上旬予定)
どうぞお楽しみに。